どうしてこんなに仕事が辛いのか?

 働くのが辛い状態から何とか抜け出したくて、ビジネス本を何冊も読んだものの現状が変わらない・・・。何とかしたいと思ったときに相談したのは、キャリアカウンセラーの方でした。

 当時、自分に合った”天職”を見つけて、その仕事に就くことができれば仕事が嫌という悩みが解決すると思っていたので、自分に合う仕事は何かという観点で考えを伝えてみたところ、「そこまで深く考えているなら、私からお伝え出来ることは何もないです」とあっさり言われてしまい、めちゃくちゃがっかりしました。キャリアの専門家であれば、自分には無い視点で天職探しの光明を見つけてくれると思っていたのに・・・。

 それから長い時間が過ぎ、その間私は2回転職しました。年を取り、その分多少できることが増えたことで給料はアップしたものの、ネガティブ沼からは抜けられず。色々試している中で、以前とは別のキャリアカウンセラーの方に相談してみることにしました。優しい語り口で親身になって悩みを聞いて貰えたのは有り難かったですが、アドバイスされたのは「自分のスキルの棚卸しと、これからやりたい仕事を考えると良い」ということ。スキルの棚卸しなら何度もやっているよと思いつつ、紹介された書籍を参考にして、棚卸とやりたいことの洗い出しに取り組んでみましたが、やはり全くしっくり来ません。

 でも何か、自分の中にあるこのモヤモヤした気持ちを明らかにして、未来に向けて能動的な自分を手に入れる手段がどこかにあるのではないだろうかと、更に試行錯誤を続けました。

自分の頭の中を文字に書き出す”ジャーナリング”

 私は、これまでたくさんのビジネス本に頼って来ましたが、同じくらいスピリチュアルなことも学び、取り組んでいます。スピリチュアルという不思議な世界を知りたいという単純な興味もありますが、ネガティブから抜けるために使えそうなものは何でも使った方が良いと考えているからで、実際効果も感じています。
 スピリチュアルの世界の中では、感情はセンサーであり、やっていて自分が嫌な気分になることではなく、良い気分になることだけしましょう、良い気分を保ち続けると幸せが訪れますということが良く言われています。多くの方が言われているので、きっと本当なのでしょう。でも、正直嫌な仕事から抜けられない現状がある限り、自分は良い気分を保つなんてできない・・・。

 そんなことを考えていたある時、私はあるメソッドに出会いました。それが”ジャーナリング”です。

 ジャーナリング(journaling)とは、頭に浮かんだことを紙に書き出して見えるようにすることで、自分が本当に感じていることを自分が気づけるようになるための方法です。紙に書くことで自分を客観視できるので、書く瞑想とも言われているそうです。
 やり方は簡単で、テーマに沿って頭に浮かぶことをただ書き出すだけ。5分とか10分とか時間を決めて行います。細かいやり方は正式なものがあるのかもしれませんが、とりあえず白い紙の上に”仕事が辛い状態から抜けるには?”とテーマを書いて下線を引き、その下に感じることを箇条書きで書いてみることにしました。

ジャーナリングは質問設定がポイント

 ところが、何も浮かんで来ません。心の中を占めるのは「もう嫌」「辛い」「何も考えられない」ということばかり。私の本心なのでしょうが、ネガティブな単語しか浮かばず、明るい未来へのヒントどころか、まともな考えが一向に出てこないのです。そこで、”どうして仕事が辛いと感じるのか?”と質問を変えてみることにしました。

 そうすると、「休憩も十分取れないほど仕事量が多すぎるから」「長年プレッシャーの中にいて心身とも限界だから」「同じことの繰り返しでスキルアップできないので、目の前の仕事にやる気が起きない」といった、自分が辛いと感じている理由とそれに伴う感情が文章として出てくるようになったのです。
 最初に設定したものと違い、”どうして仕事が辛いと感じるのか?”という質問にすることで、自分が感じている感情が答えとして出てくるようにしたのが良かったようです。

 ジャーナリングで書き出した内容を見て思ったのは、今までこんな辛さに耐えてくれてありがとうという自分への感謝と謝罪、今後はこうならないように働いて行けば良いのだなという気づきでした。そして、「今の仕事がひと段落したら、後先考えずとにかく休もう」と決心が固まったのです。

 これを読んでいる方が普段働いている中で、漠然とした不満や不安、ネガティブな思いを感じているものの、その理由が分からず悶々としているのであれば、ジャーナリングを使って自分の本当の気持ちと向き合ってみること、お勧めします。

ジャーナリングのイメージ。チラシの裏紙です・・・