劣っている自分が辛いと感じたら

 頑張ってやった仕事にダメ出しされたり、求められるスピードや量をこなせなかったり、期限を守れなかったり、同期や後輩に比べて自分は何でこんなに仕事が出来ないんだろうと情けなくなったり。仕事で感じる劣等感はとても・・・辛いですよね。しかも恐ろしいほど長引いて、どうにもできない絶望感で身動きができない状態にまでなりがちです。私自身が劣等感の塊ですので、よーく分かります。

 「なんで私はこんなに劣等感が強いのだろう。自己肯定感が高くなればきっと楽になれるのだろうなあ。自己肯定感を高くしたい!!」そんな風に思っていませんか?
 ですが、よく考えてみてください。そもそもなぜ劣等感を感じるのでしょう?
 あなたが、「仕事なんてどうでも良い、決まった時間を過ごしさえすればお給料が貰える。ちゃんとやる必要なんてない」という考えの持ち主だったら、悩みはしないはず。劣等感は、期待に応えたいとか、もっと仕事が出来るようになりたいという思いがあるから感じるのではないでしょうか。
 つまり、元を正せば前向きな考え方から来ているのです。

”劣等感を無くす”ことはしなくていい

 「ああ、もう私なんてダメだ」と劣等感が出て来た時、「あの時の失敗は本当に辛かった」「次もどうせダメかも・・・」と、劣等感に紐づく考えを延々と続けて、時間があればずーっとその考えに浸ってしまっているということは無いでしょうか。
 恐ろしいことに、ネガティブというものは、過去の嫌だったことを思い出すと、それが更に増幅されてしまうという性質を持っています。また、人間は放っておくとネガティブな考えに傾きがちということが研究でも分かっています。そのため、それを考える時間を意識的に減らすことが大変重要です。

 「ネガティブな考えを止めた方が良いのはわかっているけれど、実際に私は仕事ができないから・・・。ネガティブな考えを止めることなんてできない」
 そんな声が聞こえて来そうです。そう思う方にお伝えしたいのは、”劣等感は無くさなくて良い”ということです。先に書いたように、劣等感の元は前向きな思いから来ているので、無理に無くそうとする必要はありません。ただし、劣等感はネガティブを増幅するため、できるだけ脇に置いておき、劣等感と仕事が出来るようになることを分けて考えるようにするのです。
 
 では具体的にどうすれば良いのでしょう? 

絶対に今より出来るようになる。大事なのは人と比べないこと!

 まずお伝えしたいのは、”自分は劣っているけど、出来ないなりに今より仕事が出来るようにはなれるはず”という考え方です。ちょっとややこしい言い回しですみません。
 「自分は劣っている→だから仕事ができない」のではなく、「自分は劣っている→だけど、出来ないなりにも努力すれば今より変われるかも」ということを受け入れて欲しいのです。

 この時に気を付けていただきたいのが、人と比べないということです。上司から求められるレベルに応えられるかも一旦は気にしないでください。目標は、あくまで今の自分より出来るようになることです。何も変えないなら、ずっと辛いままです。いきなりエベレストに登るのは無理であっても、怖気づいて何もしないより、勇気をもって小さな一歩を踏み出したほうが良いと思いませんか?
 変われることを信じ、出来る自分に変わって良いことを自分に許しましょう。

まずは一般的なことを試してみる。勇気を出して、人にも直接聞いてみる。

 劣等感にさいなまれると、思考が停止してしまい、どうしたら良いか分からなくなりがちです。自己肯定感を得るために資格試験に取り組むなど、直接仕事には結びつかないことをしてしまうこともあるかもしれません。
 ですが、目的は目の前の仕事ができるようになることですので、そのためには、自分が出来ていないことを明確にして、改善することがどうしても必要になります。
 仕事ができるようになるにはどうすれば良いか、仕事全般に共通するような基本的な内容はネット上にも参考情報が色々ありますので、そちらを見られるのが良いと思います。
 ↓参考URLを2つ記載しますので、良ければご覧になってみてください。
記事内容がご参考になると思いリンクしていますが、必ずしも下記サイト運営者が提供するサービスの利用を推奨するものではありません。

どうしても仕事ができない・自分が情けないから辛い!病気になる前に解決するには
(株式会社エイチームライフデザイン「イーデス」Webサイトより)

今日から仕事ができるようになる方法5選!
(株式会社ネオキャリア)


 更に、あなたが仕事ができると思う先輩や上司に、是非勇気を出して相談してみてください。
「仕事ができるようになりたいと考えているのですが、自分ではどこから取り組めば良いかわかりません。相談に乗ってもらえないでしょうか?」と伝えます。仕事が出来る方であれば、自分だけでなく周りの人が良くなることにも気を配っています。前向きなあなたの気持ちは、きっと相手に好意的に受け止められるはずです。
 職場で直接相談するのが難しい場合は、外部のサービスを利用してみるのも良いかもしれません。世の中には優良なコーチングサービスが多数ありますし、私自身もそういったご相談をお受けてしています。

負のエネルギーの後ろにあるものを冷静に見極めて

 最後にお伝えしたいのが、周りからアドバイスや意見を言われた際の受け止め方についてです。
周りから何か言われた時に、その発言の中に負のパワーを感じてしまい、そこに捕らわれて具体的な指摘に目が行かないという方が居られるように思います。
 例えば、営業職の方で「今日のあなたの商談の進め方は全然ダメだったね!!あれじゃ先方に商品の良さが伝わらないよ。〇〇の場合は、△△ではなくて・・・」というアドバイスをもらったとしても、前半の「今日のあなたは全然ダメ」の部分に強く反応してしまい、肝心なアドバイスが頭に入らないというような状態です。
 もっと相手側が配慮して、アドバイス内容に特化して優しく伝えてくれれば良いのですが、実際に伝える際には、まるで相手を否定しているかのような枕言葉がついたり、キツイ口調で発言されてしまうことが往々にしてあります。受け取ったあなたとしては、嫌な気分になり、落ち込んでしまうかもしれません。ですが、ここでもやはり、落ち込むこととアドバイスを受けて改善することは分けて考えてみていただきたいのです。
 つい強い口調になってしまったものの、日常的にパワハラをしている人でもない限り、相手の方が本当に伝えたかったのは、あなたへのアドバイスです。難しいかもしれませんが、少し時間を置いてから何かヒントがあるかもという考え方で冷静に振り返ってみると、きっと気づきがあると思います。
 相手はあなた自身を否定しているのではなく、あくまで仕事のやり方を変えて欲しいと思っているだけなのです。